にあるす blog

星戦の感想など。ネタバレしかない。

帰ってきたジェダイ

サー・アレック・ギネスから始まった『帰ってきたジェダイ

胸が熱くて涙が出そう。

まさに、オビ=ワンというキャラクターは彼から始まった。

 

ジョージはアレックに、オビ=ワンという役についてこう語った。

「彼はサムライであり、賢者であり、修道僧のようなキャラクター」だと。

つまりはそれが、ジョージのもつジェダイ観だといえよう。

 

このドキュメンタリーで、監督のデボラ・チョウが情熱と才能にあふれたクリエイターだということがよく分かった。

ユアンと一緒にドラマのオビ=ワンを作り上げたことも。

それでも、彼女はジェダイというものを軽視していると感じるし、そこがジェダイオタクとして残念である。

ジェダイであることはオビ=ワンという個性の中の一部にすぎないという言葉が引っかかって仕方がない。ジェダイを職業や能力だと考えてやしませんか。

 

ジェダイ=サムライだとしたら、それは生き方であり、自覚である。

オビ=ワンはどうやってもジェダイであることを捨てられないからこそ、アナキンと分かり合えなかった。これについては以前の記事で語っているけれども。

 

アナキンを殺してしまってから、ジェダイである自分に疑いをもったのだろうか?

ユアンも自信や信念を喪失したと述べている。

それならなぜいまだルークを導く気でいたのだろう。ヨーダとの約束だとしても、今の自分には務まらない、また失敗するくらいなら関わらないほうが良いとは考えなかったのか。

 

つらつら理屈を述べてみても、結局は感情がドラマの解釈を否定している。助けてオビ=ワン・ケノービ!

デボラ監督、ダース・ヴェイダーにはあれだけの理解力を示しているのにな。対象を掘り下げるのではなく自分に引き寄せて考えるタイプなのだな。

 

 

としつこく不満をこぼしながらも、ドキュメンタリーとしては面白く見どころも多い作品だった。

 

イオピーのために肉をくすねていたのだという事実も判明したし。

オビ=ワン VS ヴェイダーの解釈も興味深かったし。

ドラマのオビユアンは改めてとても色っぽい。長い前髪がほつれるところがいちいちたまらない。

過去の映像を交えながらのアナキンやクワイ=ガンの登場もテンションがあがった。エピソード1~3世代だもの!

 

このドラマの評判を検索する勇気がもてないのだが、SWファン的にはどうなのだろうか。

クローンウォーズ・S4 オビ=ワンの愛とアナキンの情

ザイゲリア奴隷編と、オビ=ワン暗殺編。

オビ=ワンファンにとってはおいしい場面もありつつ、オーダー66への布石が次々と敷かれていく。

 

ザイゲリア編。

オビ=ワンがトグルータの族長を衝動的に助けようとして捕まるくだりは少し疑問が残った。

オビ=ワンはもっと慎重に行動するタイプだと思うからだ。

ドジっ子で運が悪いから捕まるシナリオはお約束だが、今すぐ命の危機があるわけでない族長をなぜあの場で連れ出そうとしたのか。

逆に衝動で動いてオビ=ワンに諌められがちなアナキンが、オビ=ワンの浅慮をフォローする役割となっている。

 

このシーズン4は有能で情にあついアナキンがジェダイオーダーに対しストレスゲージをぐんぐん上げていく様子が描かれているが、ザイゲリアのオビ=ワン描写はアナキンとの対比としていささかキャラ崩壊していないだろうか。

時間の限られた映像作品のシナリオで省略すべきところがあるのは理解できても、感覚的に納得いかぬ。

 

 

逆に、オビ=ワン暗殺編はとてもオビ=ワンらしかった。

アナキンとオビ=ワンの、互いに抱えている愛や思想の違い。

 

ジェダイに愛はあっても情は認められない。

ダークサイドに繋がる感情は、情から生まれるものだから。

しかしアナキンは情のかたまりのような人間である。情のない愛を理解できず、愛情をもつ自分に誇りをもっている。

ゆえに情を否定するジェダイにアナキンは不信を抱く。

 

逆にオビ=ワンは、アナキンの情を理解しきれない。

オビ=ワンのアナキンに対する愛には確実に情が含まれるけれど、本人はそれを自覚していない。だからアナキンの情をさらりと否定する。

自分が死んでもアナキンは少しの悲しみとともに受け入れるだろうと考えてしまう。それがジェダイの道だから。

 

オビ=ワンに悪気なく死を偽装されたことで、アナキンは元マスターと自分とのあいだの絶望的な差を思い知った。

愛、イコール情なアナキンにとって、それは「オビ=ワンは自分をそれほど愛していない」と結論づけるに充分だった。

親とも兄とも親友とも思ってきた相手が、実は自分を愛していなかった!

アナキンにとって、それは裏切り以外の何ものでもなかったろう。

先に裏切ったのはあなただ!という台詞が聞こえてきそうである。

 

 

そして、視聴者である我々も基本的に情のない愛に親しみをもてない

よって、アナキンとアソーカに感情移入することを前提に物語は進むのであった。つらい。

クローンウォーズ・S4 モン・カラマリ編

クローンウォーズのモン・カラ内戦編まできた。

アクバー提督かっこいい!

この頃はまだキャプテンだが、安定感抜群の強さ。

リー・チャー王子といい、知的で勇敢なモン・カラマリ種族はいいなあ。

 

見終わったあとテンションが上がりすぎて、ついエピソード6を再生していた。睡眠時間がごりごり削られていくけども悔いなし。

フォース体のオビ=ワン・ヨーダ・アナキンをルークが見つめる場面はいつ見ても胸熱である。

 

 

ところでエピソード6の皇帝とルーク、ヴェイダー対決シーンの台詞を追うと、シスとは怒りなどの負の感情を媒介として、ミディクロリアンを乗っ取り思考を支配するウィルスのようなものだと思われる。

よってミディクロリアン値の高いものほど大きな被害を受けるのではないか。

「〜はダークサイドに繋がる」というのも、「常に免疫を高くしておきなさい。さもなくばミディクロリアン専用ウィルスに感染して脳みそやられますよ」と言ってくれれば分かりやすかったしジェダイの皆さんももっと用心しただろう。

わりと物理的な被害なのに精神論にいってしまったのがジェダイの敗因のひとつではないかと、皇帝の台詞を聞きながら思ってしまった。

 

まてよ。ダークサイド感染者から「マスター達の言葉は嘘だ。私の頭は正常だし愛を否定するのはおかしい。皆で立ちあがろう!」とか言われたら、聖堂がまっぷたつに割れてしまうかも。

やっぱり規則で縛るほうが効果が高いのか?

 

アナキンはオビ=ワンと戦い手足を失うことによって、ウィルスに感染したミディクロリアンが減り、結果少しだけウィルスへの抵抗が増したのかもしれない。

そのぶんアナキンの心が顔を出し、オビ=ワンに対する複雑な執着へと繋がったのではないかと思いたい願望。

 

クローンウォーズで懐かしの顔が出てくると映画に戻ってしまう。ダースモールが出てきたらエピソード1を観てしまうに違いない。

後付けのストーリーだが、クローンウォーズはとてもよく脚本が練られていると思う。

オビドラマと私的オビ語り

ディズニープラスで配信されたオビ=ワンのドラマ。

正直に言うとどうにも納得できない部分があった。

 

ユアンのオビ=ワンは無条件に肯定してしまう私だが、この作品の脚本と演出には個人的にツッコミどころがありすぎて、初見ではユアンオビの魅力に専念できなかったくらいだ。なんてこった。

 

ごく個人的な感想として、まずエピソード3のオビ=ワンとドラマのオビ=ワンが繋がらない。

というのも私はエピソード3のノベライズが大好きで、特にムスタファーでアナキンと対決した前後のオビ=ワンの描写がいまだにくっきりと心に刻まれているからだ。

 

オビ=ワンはまだ彼を愛していた。

ヨーダはいつもはっきりとこう言っていた。”そういう執着は放さねばならんぞ、ジェダイはな"

だが、オビ=ワンはこの言葉の意味を、これまでほんとうに理解していたとは言えなかった。彼はアナキンと議論し、言い訳し、何度も繰り返しアナキンをかばった。そのあいだも、ずっと自分では否定してきたこの執着が彼の目をふさぎ、親友が歩いている邪悪な道を見ることができなかったのだ。

こういう執着に対処する方法はひとつしかない。

彼はそれを放した。

 

最後は、選択肢はひとつしかなかった。何年もまえに、すでに選択していたのだ。ジェダイ・ナイトのトライアルに合格したときに。彼は永遠にジェダイでありつづけると自分に誓った。彼はまだオビ=ワン・ケノービ、まだジェダイだった。無力な男を殺すことは、彼にはできない。

アナキンはフォースの意志にゆだねるとしよう。

オビ=ワンはきびすを返し、歩み去った。

 

私にとってオビ=ワンとは、これなのである。

彼はどれだけ喪失の痛みを抱えようとも、手放すことのできるジェダイなのだ。

それは冷たいとか愛が分からないとかそういうことではなく、失う痛みを受け入れられるということだと私は思う。

(でも放された相手のほうは失った痛みに耐えられない。その悲劇よ)

 

オビ=ワンはもともと短気で理性より感情が迸るタイプで、自分の性情がジェダイ向きでないことをよく自覚していたものと思う。

だからこそ痛みに痛みを重ね、努力で理想のジェダイへの道を歩んできた。

最愛のアナキンに対してさえ、ジェダイとしての在り方を選び自分の執着を手放した。

 

なのにオビドラマ1話ではジェダイであることを手放してルークへの執着がっつりなオビですよ!

 

アナキンの喪失に対する痛みは、40年近くも心に傷を負い続けながら体得してきたジェダイの在り方さえ失わせるほどのものでしたか?

ルークに対する執着は、手放したはずのアナキンへの執着がシフトした結果ですか?

 

腐としてはおいしい話だが、オビ偏愛者としては納得がいかぬ。

後悔も痛みも愛ですらオビ=ワンからジェダイの自覚を剥ぎ取ることはできない。その透徹した姿勢こそが、アナキンに失望を与えてきたのではなかったか。

 

気の遠くなるほどスピンオフが出ていて熱狂的なファンの多いオビ=ワン・ケノービに対し、掘り下げが足りないのじゃないかと申し上げたい。

私もまだドラマをちゃんと咀嚼できていないので、反論は受けつけますけども。

 

 

他にはサード・シスターのデザインが、役の重要度のわりにおざなりすぎると感じた。

仮にもSWでノーメイクなデザインはどうなのか。同僚の男性陣のほうがよほど凝っている。

あれだけ複雑なキャラクターを表現するなら、アサージと比肩するくらいのデザインが欲しかった。

 

最後にルークを襲ったのも、説明不足で混乱する。

さすがにアナキンの子供だと気づいたはずはない。というよりアナキンに子供がいること自体知りようがないだろう。

絶望からオビ=ワンの大切なものを壊そうと思った?

もう少しその辺も掘り下げていたら、もっと魅力的なキャラになっただろうと思うと残念というか、作品全体にちらほらとやっつけ感やテンプレがあるので大人の事情が色々とあったのかもしれない。

 

ダメ出しばかりしているが、レイアの存在だけでお釣りが出るくらい可愛かった。

英語の、ちょい舌足らずなのに口達者なところがとてもいい。

あのレイアはオビ=ワンを導く水先案内人としての役割が強いので、オビ=ワンが道を見失っていたからこそのキャラクターだろうけど。

ベイル・オーガナ氏も相変わらず素敵。

 

ダース・ヴェイダーの描写も良かった。

アナキンもヴェイダーも、感情や行動原理が馴染みやすいから表現が盛り上がるのかもしれぬ。そもそも存在が派手。有無を言わせぬ吸引力。

彼とオビ=ワンの関係ついては雑感とは別にまとめてみたい。

 

 

と、ここまでグチ多めに語ってきたわけだが、このドラマが公式となってしまった以上はファンとして無かったことには出来ぬ。

ユアンオビが出てきた時点でどうやっても嫌いにはなれないし、好きな場面も多々ある。レイアも可愛いし。

 

この上は失われた10年とオビドラマを補完するストーリーを自分でつくって楽しむことにしたい。

クローンウォーズ・S3 監獄脱出編

オビ=ワンのスピンオフドラマでSW熱が上がり、TV版アニメ『クローンウォーズ』 を見始めてシーズン3の20話まで辿り着いた。

ここまでくると感想を吐き出したくてたまらず、ついにブログを作ってしまったぞ。
 

クローンウォーズは好きなキャラクターの活躍が見られて嬉しい反面、話が進むほどにつらい。

ジェダイオーダーがシスの罠にどんどん絡め取られて、最後に滅ぼされる過程が描かれているのだから。

話が進むほどにパルパティーンの張り巡らしたネットがギリギリと締まっていくのが見えるよう。

完全な時系列ではないらしくアンクルオーノが生き返ったりしてるけど。
 

18話〜20話の監獄脱出編ではターキン登場!

エピソード4では帝国軍のグランドモフとしてデス・スター計画を指揮していたターキン。

クローンウォーズの頃は共和国軍としてジェダイ将軍の下についていたんだなあ。

そして、ジェダイの戦術が甘いことに不満をもっていた。そりゃ未来に反乱勢力を星ごと粛清しまくった人からしたら生ぬるいわな。

その意見に控えめに賛同するアナキン。

どちらもパルパティーンに不満を訴えては「うんうん分かるよ君は有能だよそのうち報われるから今は我慢しようね」と宥められ、議長ラブになっているのが見てとれる。

パルパティーンコミュ力が高すぎて勝てる気がしません。
 

監獄からの脱出でもターキンはオビ=ワンと2度ほど作戦で対立し、2度ともオビ=ワンの案が採用されている。

結果、脱出のためのシャトルが破壊される事態となった。

オビ=ワンってドジっ子なのもあるけど、何より運がものすごく悪いよね…そんなオビ=ワンが大好きだ。

 

ターキンは極端なキャラだけど、有能な職業軍人ではある。

彼からするとジェダイが将軍として軍の司令系統の上にいるのは納得しがたいのだろう。

シスだか何だか知らないが、坊主が戦争にしゃしゃってくんなというやつである。しかもお飾りではいてくれない。

自分ならもっとうまくやれるのに、という思いがターキンの言動には露骨に現れている。帝国ならともかく共和国軍が人道を外せば世論がうるさいので、ターキンでも大したことは出来なさそうだが、パルパティーンがかばってくれてどこかでデス・スター建造計画を早々に始めていたかもしれぬ。
 

ともあれシスと戦うという名目があったにせよ、共和国軍のトップにジェダイをもってくるという決定に最高議長が噛んでいないわけがない。

結果ジェダイは銀河に広く薄く散らばることになり、職業軍人(後の帝国軍)とのあいだに軋轢が生まれ、巷にはジェダイが権力を得るために戦争を起こしたという噂すら流れ、破滅への道をお膳立てされてしまうのであった。

 

ジェダイ・カウンシルにもっと政治的センスがあれば、こうした悪意の積み重ねはある程度避けられたはず。

必要なのはフォースではなく時流を見ることだった。いやリビングフォースならいけるのか? クワイ・ガンを真っ先に殺したシス大正解。

マスター・ヨーダ!ぼんやりとしか見えないものに目をこらしてる場合じゃありませんよ!現世を見てください!

 

そしてアソーカ…

ここでマスター・ピエルから情報を受け継いだことをターキンに知られてしまったら狙われますよ…

これがオビ=ワンならジェダイ以外に情報が漏れないよう誤魔化しただろうと思うけど、スカイウォーカー師弟にそういう用心深さはないのよな。

アソーカには資質はありそうだけど若すぎた。

この先、狡猾なパルパティーンに追い詰められていく彼女が見えるようでつらい(泣)

 

エピソード3の冒頭でコルサントが襲撃を受け議長が誘拐されたのは、アソーカの持つ情報がシスに渡ってしまったからなのか。

シーズン7まで先は長いけど、がんばって観よう。つらいけど。

オビ=ワンのモデルが好みすぎるから観るのはやめられない。