クローンウォーズ・S4 オビ=ワンの愛とアナキンの情
ザイゲリア奴隷編と、オビ=ワン暗殺編。
オビ=ワンファンにとってはおいしい場面もありつつ、オーダー66への布石が次々と敷かれていく。
ザイゲリア編。
オビ=ワンがトグルータの族長を衝動的に助けようとして捕まるくだりは少し疑問が残った。
オビ=ワンはもっと慎重に行動するタイプだと思うからだ。
ドジっ子で運が悪いから捕まるシナリオはお約束だが、今すぐ命の危機があるわけでない族長をなぜあの場で連れ出そうとしたのか。
逆に衝動で動いてオビ=ワンに諌められがちなアナキンが、オビ=ワンの浅慮をフォローする役割となっている。
このシーズン4は有能で情にあついアナキンがジェダイオーダーに対しストレスゲージをぐんぐん上げていく様子が描かれているが、ザイゲリアのオビ=ワン描写はアナキンとの対比としていささかキャラ崩壊していないだろうか。
時間の限られた映像作品のシナリオで省略すべきところがあるのは理解できても、感覚的に納得いかぬ。
逆に、オビ=ワン暗殺編はとてもオビ=ワンらしかった。
アナキンとオビ=ワンの、互いに抱えている愛や思想の違い。
ジェダイに愛はあっても情は認められない。
ダークサイドに繋がる感情は、情から生まれるものだから。
しかしアナキンは情のかたまりのような人間である。情のない愛を理解できず、愛情をもつ自分に誇りをもっている。
ゆえに情を否定するジェダイにアナキンは不信を抱く。
逆にオビ=ワンは、アナキンの情を理解しきれない。
オビ=ワンのアナキンに対する愛には確実に情が含まれるけれど、本人はそれを自覚していない。だからアナキンの情をさらりと否定する。
自分が死んでもアナキンは少しの悲しみとともに受け入れるだろうと考えてしまう。それがジェダイの道だから。
オビ=ワンに悪気なく死を偽装されたことで、アナキンは元マスターと自分とのあいだの絶望的な差を思い知った。
愛、イコール情なアナキンにとって、それは「オビ=ワンは自分をそれほど愛していない」と結論づけるに充分だった。
親とも兄とも親友とも思ってきた相手が、実は自分を愛していなかった!
アナキンにとって、それは裏切り以外の何ものでもなかったろう。
先に裏切ったのはあなただ!という台詞が聞こえてきそうである。
そして、視聴者である我々も基本的に情のない愛に親しみをもてない。
よって、アナキンとアソーカに感情移入することを前提に物語は進むのであった。つらい。